他に治療の方法が無いといわれている方
ある程度進行していて即効性を期待される方
- 抗がん力と即効性に優れ難治性がんに対応
- 通常2~4週毎
がん細胞は、熱には弱く電磁波には発熱し易い特徴を持っています。この特性を生かし温熱療法とリンパ球療法を組み合わせた治療法です。「優しくて効果のある治療」を追究しています。
リンパ球療法とは
免疫細胞療法のなかでも、がん細胞を攻撃する白血球の一種であるリンパ球を使った治療法のことをリンパ球療法といいます。リンパ球のなかでも「NK(ナチュラルキラー)細胞」「NK-T細胞」などの、がん細胞への攻撃を担う免疫細胞を体外で培養、活性化し患者さんの体に戻すことによって、全身の免疫細胞を活性化させます。当院では「混合型リンパ球療法」「特殊型リンパ球療法(NK+α)」の2タイプがございます。お一人おひとり状況の異なる患者様に対してきめ細かい対応をおこなっております。また、「変動型分子標的樹状細胞療法」と併用することでより効率よく抗がん力を高めていくことが可能になります。
複数のペプチドワクチンで刺激した特異的キラーリンパ球を誘導することにより、さまざまな顔を持つがん組織への対応を可能にしています。威力とスピード性を兼ね備えた免疫細胞療法の新システムです。
従来の混合型リンパ球療法は、体への負担が少ないという特徴を持ち合せていますが、少なくとも2~3ヶ月の治療期間を要します。超特異的リンパ球群連射療法は、素早くターゲットへの焦点(抗体)が定まるので、2~3ヶ月も治療効果の評価が待てない状況にある方におすすめしたい治療法です。
樹状細胞に3~4種のペプチドワクチンによって刺激を与え、NK細胞を加えることで、腫瘍抗原を提示していないがん細胞に対しても、特異的リンパ球が効果を発揮できるようプログラムされています。2~4週間後には画像診断や腫瘍マーカーなどによる効果判定が可能です。
採血 | 1回 約22mL~44mL |
リンパ球培養期間 | 約2週間 (個々の治療内容により培養法や日数が異なります) |
活性化リンパ球投与法 | 1回2種(NK系1バック、CLT系1バック) 点滴 |
超高密度NK細胞療法は、分子生物学的新手法による最新の免疫細胞治療です。従来型のNK細胞療法に比べ、抗がん酵素や抗がん免疫物質をより強力に活性化させて、がんの殺傷能力を高めたいわば“スーパーNK細胞療法”です。
体内のNK細胞が持つ抗がん物質(抗がん酵素やインターフェロン)を分子レベルで超高密度に培養し、NK細胞を豊富に増産し活性化させます。これを点滴で体内に戻すことにより強い抗がん力を発揮します。
この免疫療法を行うにあたって、樹状細胞の補助力や良性の免疫物質などが不足していると十分な治療効果が得られない場合があります。当院では、超高密度NK細胞療法を行う前に、免疫解析検査で樹状細胞の働きやNK細胞物質の量を正確に調べた上で治療を行うことをおすすめしています。
また、この療法は超高濃度ビタミンC点滴との相性がよく、抗がん力の相乗効果が期待できます。
NK細胞はもともと即効性と攻撃性があり、細胞中にあるITIM(抑制性受容体)によって正常な細胞は攻撃しないが、糖鎖(がんの糖質)によってがんを察知すると、ITAM(活性化受容体)を刺激してがんを攻撃し始める。
抗がん酵素を強力に活性化する事で、がんの殺傷能力を高めたスーパーNK細胞は極めて強力で即効性のある抗がん力を発揮する。
採血 | 1回 約22mL |
リンパ球培養期間 | 約2週間( 個々の治療内容により培養法や日数が異なります) |
特殊型リンパ球投与法 | 点滴 |
特殊型リンパ球療法(NK+α)は、混合型リンパ球療法の培養法をベースに、実行部隊となるNK細胞を強化培養し、NK細胞をサポートする他のリンパ球を合わせた抗がん力の高い治療法です。
基本型のリンパ球療法では4種の免疫チーム(NK-T細胞、NK細胞、キラーT細胞、ヘルパー細胞)でがんを攻撃しますが、特殊型リンパ球療法の場合は、攻撃力のあるNK細胞とキラーT細胞をより強化させて陣形を整えています。培養の際には、インターフェロンなどの免疫物質の産生能力を高め、パーフォリン、グランザイムBといった抗がん酵素をリンパ球に豊富に持たせるよう特別な免疫物質を培養液に組み入れ、電離作用を用いた物理的な刺激を与えるなどの工夫を行っています。
より強い抗がん力を必要としている方、たとえば、抗がん剤の効き目が悪くなっている、放射線治療では根治が難しいとされる場合などに適しています。
採血 | 1回 約22mL |
リンパ球培養期間 | 約2週間( 個々の治療内容により培養法や日数が異なります) |
特殊型リンパ球投与法 | 点滴 |
混合型リンパ球療法は、院長星野がNIH(米国国立衛生研究所)在籍時代に研究した免疫システム全体を改善するアメリカ式の免疫治療を、日本で学んだリンパ球療法をもとに完成させた免疫細胞療法です。このリンパ球療法がすべての基本となっています。
リンパ球療法は、採血によって体内から弱ったリンパ球を取り出し、培養によって十分な抗がん力を増強し、改良・活性化したものを再び体内に戻し、がんと闘わせるという基本的な免疫細胞療法です。この時、できるだけ質の高い活性化リンパ球を作ることが治療成功の鍵となります。患者さまから採取した血液から、研究員の手作業でリンパ球培養を行います。
当院の混合型リンパ球療法は、主力となる4つの免疫細胞をバランスよく増強し、殺がん力が高く、免疫力の強い、高品質の活性化リンパ球を提供しています。
採血 | 1回 約22mL |
リンパ球培養期間 | 約2週間( 個々の治療内容により培養法や日数が異なります) |
混合型リンパ球投与法 | 点滴 |
一般的に、抗がん剤は投与後から6ヶ月ほどで効力が低下することがあります。これは、耐性の出現とがん細胞の休止期における抗がん剤の効力の低下が原因です。
活動期のがんは、抗がん剤が入りやすく抗がん効力を得られますが、がんが休止期に入ると、細胞の殻が閉じられて抗がん剤が入りにくい状態になります。抗がん剤を長期投与した場合もMDRI(抗がん剤を排出する遺伝子)が活発になって効果が期待できなくなり、抗がん剤の種類を変えても、ひとつの抗がん剤で耐性ができていることが多く、結果的に治療法が尽きてしまう状態に陥るのです。
リンパ球療法は、免疫の防御機能への働きかけをコンセプトにした治療法です。わずかな血液から機能が低下した免疫細胞を取り出し、培養によって改良して再び体内に戻し、全身の免疫細胞を賦活させて腫瘍細胞(がん)を攻撃し排除していきます。当院では、4タイプのリンパ球療法で、お一人おひとり状態の違う患者さまに対応しております。
現在の抗がん剤治療での最大の欠点は副作用にあります。この欠点を一新する分子標的薬という新しいタイプの抗がん剤が登場してきました。分子レベルのがん細胞に働きかけるので正常細胞へのダメージが少なく、副作用を軽減できるQOLを重視した身体にやさしい治療薬です。
この分子標的薬の使用の有効性を調べるのが分子解析です。手術で取り出したがん組織や血液の検査などで、がん細胞が持っている遺伝子情報を分子レベルで検査します。
がんワクチン療法、またはがんワクチン活性化樹状細胞療法を行う際に、どのようながんワクチンを選定すれば有効かを解析する検査です。手術または生検の標本を免疫染色して調べ、その結果をがんワクチン療法やがんワクチン活性化樹状細胞療法に反映させます。
手術や生検の自己標本を用い、がん特有の分子情報である抗原抗体反応(免疫反応)を発色操作によって検査します。分子解析やペプチド解析の際にも応用しています。
PD-L1発現診断
抗PD-1抗体療法の適応を事前に調べることを目的とし、免疫染色法を用いて腫瘍組織中のPD-L1発現を調べます。
がん細胞がPD-L1を多く発現している方が抗PD-1抗体療法の効果が高いと考えられており、治療を選択する上での有用な情報となります。
検査にはホルマリン固定パラフィンブロックから作製された未染標本スライドが必要となります。所要日数は約1か月となります。
免疫細胞療法は、低下した免疫力をがんと闘えるまでに強化することが目的です。個体差を重視した免疫細胞療法を行うには、改善すべき免疫システムがどこなのかを正しく知る必要があり、腫瘍免疫チェックは必須項目となります。
採血による最新の免疫学的技術を駆使した検査によって、免疫の状態を的確に把握していきます。がん分子免疫の主となるNK細胞やT細胞の機能、腫瘍免疫やがん血管新生に関与するサイトカインの測定などを行い、それぞれの細胞力を測定します。また、投与した活性化させたリンパ球や活性化させた樹状細胞の効力を調べる場合には、バイオアッセイ法の検査でその活動性を測定します。
腫瘍免疫チェックによってこれらの免疫物質の状態を調べます。
抗がん細胞活性 | (1) NK活性 | 実際にがんを倒す免疫細胞の元気度です。 |
免疫バランス | (2) TH1/2バランス | 免疫のバランスが良い方向か悪い方向かをみます。 |
(3) CD4/8バランス | ||
(4) CD4/25バランス | ||
良い免疫ホルモン | (5) IL-7 | 善玉免疫ホルモンです。 |
(6) IL-12 | ||
悪い免疫ホルモン | (7) IL-6 | 悪玉免疫ホルモンで、がん細胞が自分自身を免疫の攻撃力からのがれるために作る免疫抑制物質です。 |
(8) TGF-β | ||
(9) PGE2 | ||
がん及び異常な血管の新生因子 | (10) VEGF | がんの増殖や転移と深く関わるがんの栄養血管を作るホルモンです。 |
(11) TNF-α | ||
体の酸化度合 | (12) 酸化ストレス度測定 | 酸化ストレスは体のさびつき度、抗酸化力はさびつきにくさを示しています。 |
(13) 抗酸化力測定 |
細胞因子の濃度を検査するバイオアッセイ法を用いて、投与した活性化させたリンパ球や活性化させた樹状細胞の活動性を調べその効力を測定します。
がん治療で悩んでいる方へ
がん治療の2大専門家による最新のがん治療のセミナーが10/23(日)大阪、10/25(火)東京 で開催されます。
私たちの体の細胞は水を除くとそのほとんどがたんぱく質でできています。活性酸素、放射線、紫外線、熱、精神的ストレスなどさまざまな原因で傷ついてしまいやすいたんぱく質。それを修復してくれるのが、熱ショック蛋白です。この熱ショック蛋白はすべての細胞の中にあり、特に熱に対して反応し、増加して、傷ついた細胞を修復する働きを持っています。この働きを利用して、熱ショック蛋白を安全で効果的に増やし、がん細胞を消滅させる新たな治療法について詳しくお話しします。
現役のがん専門家が最新の免疫治療法について、わかりやすくお話します。
星野 泰三
東京・京都統合医療ビレッジグループ 理事長
プルミエールクリニック 院長
吉田 朋子
未来研究所 研究開発部長
日時: 平成23年10月23日(日)
13:15~15:00(13:00受付)
会場: ホテルグランヴィア大阪
(JR大阪駅中央改札右手すぐ)
対象: がん患者様およびそのご家族
定員: 先着10名様(要お申込)
費用: 1,000円
日時:平成23年10月25日(火)
14:00~15:30(13:45受付)
会場: 九段南 エルミタージュタワー
(JR・地下鉄市ヶ谷駅から徒歩7分)
対象: がん患者様およびそのご家族
定員: 先着20名様(要お申込)
費用: 1,000円
お問い合わせ先
統合医療ビレッジ プルミエールクリニック 予約センター
TEL:03-3222-1088
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