
HSP(熱ショック蛋白)強化培養について
免疫細胞の働きを強め、がんを攻撃する結合力を高める
熱ショック蛋白(Heat Shock Protein(ヒートショックプロテイン)以下=HSP)は、高温(熱ショック)にさらされた細胞において、たくさん発現するタンパク質として発見されました。その後の研究により、HSPは熱以外にも炎症や細菌感染、活性酸素、低酸素状態といったさまざまなストレスによっても働きが活発になることがわかりました。
HSPの主な働きは、ストレスによりダメージを受けて異常な状態になった細胞の修復や、細胞内に溜まった不要なものを分解すること、つまり、ストレスから細胞(体)を守る重要なタンパク質なのです。また、人間の体の基本となるタンパク質や、遺伝子の安定に大きく寄与しており、がんの予防や、抗がん作用にも重要な役割を果たしています。しかしHSPの作用は加齢とともに減少していくため、免疫細胞の培養時に予めHSPを誘導させることにより、免疫細胞の働きを高め、がんへの攻撃力を増強するための培養方法です。
HSPの免疫染色

細胞の状態を表し、高温になっても細胞は良い状態でいることを示します。

HSPの発現している量を表しています。
温度が高くなるほど免疫細胞中のHSPの量は多くなり、免疫力と抗がん効果が強くなります。

細胞の状態を表し、高温になっても細胞は良い状態でいることを示します。

HSPの発現している量を表しています。
温度が高くなるほど免疫細胞中のHSPの量は多くなり、免疫力と抗がん効果が強くなります。
更新日:2018年1月24日