
分子解析・ペプチド解析・免疫染色法について
分子解析
現在の抗がん剤治療での最大の欠点は副作用にあります。この欠点を一新する分子標的薬という新しいタイプの抗がん剤が登場してきました。分子レベルのがん細胞に働きかけるので正常細胞へのダメージが少なく、副作用を軽減できるQOLを重視した身体にやさしい治療薬です。
この分子標的薬の使用の有効性を調べるのが分子解析です。手術で取り出したがん組織や血液の検査などで、がん細胞が持っている遺伝子情報を分子レベルで検査します。
ペプチド解析
がんワクチン療法、またはがんワクチン活性化樹状細胞療法を行う際に、どのようながんワクチンを選定すれば有効かを解析する検査です。患者さまの免疫細胞を用いた検査により、最も適合するがん抗原ペプチドを調べ、その結果をがんワクチン療法やがんワクチン活性化樹状細胞療法に反映させます。
免疫染色法
手術や生検の自己標本を用い、がん特有の分子情報である抗原抗体反応(免疫反応)を発色操作によって検査します。分子解析やペプチド解析の際にも応用しています。
PD-L1発現診断
抗PD-1抗体療法の適応を事前に調べることを目的とし、免疫染色法を用いて腫瘍組織中のPD-L1発現を調べます。
がん細胞がPD-L1を多く発現している方が抗PD-1抗体療法の効果が高いと考えられており、治療を選択する上での有用な情報となります。
検査にはホルマリン固定パラフィンブロックから作製された未染標本スライドが必要となります。所要日数は約1か月となります。
更新日:2018年3月8日